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皆様からのご意見-NPO法人移植への理解を求める会

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移植への理解を求める会へ寄せられたご意見を掲載いたします。

No.10 ドナー不足解消へ 修復腎移植の推進を

「ホット・ネット・評論えひめ」の編集委員(元産経新聞松山支局長)立花 慶三様から、会ホームページにご投稿をいただきましたので紹介させていただきます。



「ホット・ネット・評論えひめ」ネット情報板を立ち上げたばかりです。この一回目の投稿として修復腎移植推進を求める評論を書きました、同えひめの「他山の石」欄に。新聞社を退職後、久しぶりの執筆で筆力はまだ冴えませんがこれからも修復腎移植を応援してまいります。
立花 慶三


ホット・ネット・評論えひめ

ドナー不足解消へ 修復腎移植の推進を

 臓器売買の臓器移植法違反容疑で逮捕された東京の開業医(55)。容疑ばかりか暴力団を介した、医者の立場を利用した--などと悪しざまに言われるが、彼を頭ごなしに非難する気にはなれない。なりふり構わぬその所業こそ、腎不全患者らの苦しい心の深淵をある意味で雄弁に語っていると思うから

 ある腎不全患者は言う。「『命をつなぎたい』なんて耳触りのいい言葉はまどろっこしい。欲しいんだ、命が」。機械に通して血液から毒素を取り除く透析治療は医療費もかさむ。しかも根本治療ではなく余命を刻むばかりだ。透析患者は全国で約30万人いるが、移植手術を待つ患者は12140人。昨年7月の改正臓器移植法施行後もドナーはさほど増えず、同年中の死体腎移植でさえ200件程度にとどまった

 移植のために昨年、中国やフィリピンで腎移植を受けた日本人は国が把握しているだけで198人。実数でいけば国内で行われた死体腎移植数を大きく上回る、とさえ言われる。ある男性は約270万円を出して中国で移植を受けた。紹介業者の胡散臭さ、不明朗なドナーの提供腎であっても「命」に背には代えられない--と言う

 開業医が手術を受けた宇和島徳洲会病院がドナーとの養子縁組偽装を看破できなかったことの不明が問われている。国のガイドラインに基づく親族確認は病院で異なり戸籍抄本だったり、健康保険証で済む大病院もある。判断を下す病院内の倫理委員会のさじ加減もそれぞれに温度差が出よう。「救命」を優先する病院に偽装究明を求めることに限界がありはしないか

 腎不全患者らの命への渇望と、そこにじわり寄り添う暗い影。制度的欠陥を埋めてもなお犯罪の根を断つことは難しいだろう。だが、移植医療にブレーキをかけてはいけない。絶対的なドナー不足のなか、宇和島徳洲会病院の万波誠医師らが進めてきた修復腎移植が認知されれば生体腎、死体腎さえしのぐ第3の移植医療として腎不全患者らにこれ以上の朗報はない。
(7月3日 編集委員 立花慶三)
by shufukujin-iken | 2011-07-16 12:42 | ご意見

by shufukujin-iken